モノづくりの現場 Atelier & Factory
ファイバー素材で
こだわりのトランクをつくる<ファイバー事業部>
こだわり続けた素材、ファイバーボード
当社で扱うファイバー素材は「ヴァルカナイズド・ファイバー」と「パスコ」の2種類です。
「ヴァルカナイズド・ファイバー」は、高純度のパルプ繊維原紙を幾重にも積層・一体処理した硬質繊維ボードで、過去には軍需で活用されるなど高い耐久性を誇る素材です。
「パスコ」は、木材パルプを溶解したのち高い圧力でプレスし繊維密度を高めた素材で、ヴァルカナイズド・ファイバーに比べて加工しやすく軽量であることが特徴です。
どちらも間伐材のパルプや古紙などを原料とし、耐久性・磨耗製・絶縁性などに優れ、その質感はどこか懐かしさを感じさせてくれます。
私たちは激しく変化する時代の中で、惑わされることなく伝統を守るための革新を続け、長年の経験と技術を最大限に生かしたモノづくりに邁進します。
真のモノづくりを実現する製造工程
ファイバートランクは大正末期から開発が進められ、昭和3年頃初代遠藤嘉吉郎の援助のもと「ファイバー鞄」として商品化に成功。戦時中は軍需工場の指定を受け、軍需物資等を搬送する様々なトランクケース類を製造・供給を担いました。
戦後からはファイバーボードの加工技術を活かし百貨店や郵政省などをメインに業務用ケースなどの製品を手がけ、物流機器の総合メーカーとしてファイバーボードを主体とした様々な製品を造り続けてきました。
ファイバー事業部は現存するファイバー加工メーカーとしては最も歴史が深く、ファイバーボードを知り抜いた匠の技術が今なお生かされています。
1824年(文政7年)兵庫県豊岡市で柳行李商として始まり、鞄メーカーへと変遷した当社において、1944年(昭和19年)ファイバー部門が分社・独立し「株式会社北但ファイバー工業所」として創業しました。そして2016年(平成28年)さらなる革新を目指し事業を統合「エンドー鞄ファイバー事業部」として新たなスタート切りました。
一般ユーザー向けにファイバー製トランクケースの企画・製造・販売を再開することで、日本の旅行鞄の原点に立ち戻りました。
私たちは創業以来のクラフトマンスピリッツを旨とし、長年培った経験と技術をモノづくりに注ぎ込み、ファイバー素材の明るい未来を目指し革新を続けています。